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Unforgettable Brass Pounders 2
97/12/07

CWをメインとするDXpeditionが行われる際に、これはもらった!と出て来る前から我々を喜ばせてくれるCW DXpeditionerは、世界広しといえどもそれほど多くはない。
G3SXW,ZL1AMOそれにSM0AGDあたりだろうが、若手ではDK7PE、Rudiを忘れるわけにはいかない。

彼のオペレーションは、符号の美しさ等といったことよりも、その時点で一番応答すべきところにまず応答する彼のテクニックに特筆すべきところがある。DXpeditionというと、自分の母国またはその地域、ないしは英語圏の局に優先的に応答する局や、強い局から応答する(それしか応答できない)局も多い。われわれJAは、残念ながら、蚊帳の外におかれる事がしばしばある。Rudiは、その点、知性を感じさせる運用を行う。特にJA贔屓というわけではないが、そのバンドでまず応答すべき地域に優先的に応答するのだ。

それに、QSLをきちんとビューロー経由で発行する点からも、商売まがいのDXpeditionerが散見される現在貴重な存在といえる。

前のサイクルの最盛期の頃に、21のCWで彼に呼ばれた事があった。自宅では、ベアフットに屋根の上に張ったGPだそうで、DXpeditionを行い無線に狂うのはこのような事情があるためかもしれない。彼が言うには、K6DCを訪問した際に、訪問者の記帳ノートのすぐ手前の欄に私のコールを見出した、ということだった。さまざまなところを彼が旅行していることを知っていた私は、日本に来たら是非こちらにも寄るように誘ったのだが、彼は余りそれは気が進まない、と言う。不思議に思った私に、彼はこんな事情を説明してくれた。9N1MM、故モラン神父を訪れた時、故障していた無線機の修理で夜遅くまで起きていたのだが、その翌朝早くたたき起こされ恒例のミサに出るように言われ閉口した事があった、というのだ。

そろそろ新しいサイクルのピークを目指すconditionが始まる。彼は今度はどこからその華麗な運用を私たちに聞かせてくれるのだろうか。

鬼澤信
JA1NUT